12月も二十日を過ぎ、今年も残りわずかとなってきました。
以前のことですが、受講生様が名古屋帯を新調され、
かわいい雪輪柄でした。
雪とは知らずに買われたので
「えっ、じゃあ冬だけですか?」
と一瞬ガッカリされたのですが、大丈夫!
雪輪は冬限定ではありません!
↓雪輪柄は、着物を着ない方でも1度は見たことあるメジャーな柄ではないかしら?
(川島織物様よりお借りしました)
私が辞書として愛用している
世界文化社「格と季節がひと目でわかるきものの文様」より
雪輪柄の解説を抜粋します。
雪輪は雪の結晶を6弁の丸い花のように表した文様です。円に6つのくぼみがあり、その中に植物柄が描かれたものもあります。 春が近づくと雪が徐々に消え、残雪はまだらになります。その残雪を「斑雪(はだれゆき)」と呼び、春到来の目安としました。 それを図案化させ雪輪文様が生まれたといわれています。
雪の結晶というより、
積もった雪が降り解ける様子の形です。
雪=寒い時期と思いがちですが、
江戸時代には涼を感じるために浴衣の柄に取り入れました。
日本人って粋〜!
というわけで、
雪輪柄は冬に限らず
通年楽しんでいただける柄です。
雪輪のようにデザイン化されていない柄の場合は少し違います。
植物に雪がかかった絵柄は「雪持ち○○」と呼ばれます。
例えば「雪持ち椿」や「雪持ち笹」など、
雪の冷たさや重さに耐え、春を待つという意味で
冬に着ることが多いです。
デザイン化された柄と写実的な柄は扱いが違うのでご注意ください。
ちなみに書籍「きものの文様」は
「ほぉー、こんな意味があるんだ!」
パラパラ眺めていても楽しい文様辞典です。
着物の柄の意味だけでなく、
生活の中でさりげなく取り入れられている文様にも気づけるようになり、ちょっとうれしくなりますよ♪
レッスンでは、そんな小ネタも含めてお伝えしていきます。
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